会員学生の皆さん、こんにちは。
既にお伝えしたとおり、中国では情報統制社会が着々と完成しつつあり、中国内の民間メディアも、以前のような中共を不利にする記事を書くことはほとんどなくなりました。
だから最近、少数民族に関するニュースも、暴動に関するニュースも、あまり詳しくこないでしょ?
そうしたニュースが出てくる場合、そのメディアの後ろには、反体制派の中でもかなり有力な大物の人脈が存在するといていいのです。
ところが、すでに習近平体制に敵なし!
江沢民は既にこの世になく、薄熙来はとっくに逮捕されて無期懲役(実質的には現在のところ「終身刑」です)。
先代国家主席の胡錦濤の片腕だった令計画も逮捕されてから、その後の状況が全く聞こえてこない。
弟の令完成がアメリカに亡命して中共の諸々の秘密ファイルを持ち出していますので、習近平政権も死刑にはできない模様です。
実はその令計画とともに、11年ほど前、国家主席就任前の段階で、習近平を潰そうとしていたのが、先日の党大会最終日でつまみ出されて三〇一病院に「入院」させられた全国家主席の胡錦濤なのです。
令計画が逮捕されたときには、睡眠薬の多量服用で自殺未遂を図ったのですが、飲んだ時間が夜中だったため、朝に起床してこないのを不思議に思ったメイドさんが起こしに行って発見、服用から救急車搬送までの時間が短かったことから一命をとりとめたとのこと。
…で、建国70周年式典で久しぶりに姿を見せたのですが、手の震えも止まらないその後遺症で、人民騒然!でしたね。
これについては坂東学校で過去に詳しくお伝えしていますが、その後習近平がこれを許したことで二人は和解。
胡錦濤は習近平に借りを作っていたのです。
その借りが、昨年の党大会最終日に、社会的公開処刑として精算された、ということですよ。
さて、あの場で胡錦濤が不満を示してつまみ出されたもとの話は、習近平の三期目続投でした。
一説によると、胡錦濤は前国家主席として習近平の異例の三期目続投を認める代わりに、彼がもともと描いていた「習・李体制」つまり習近平が初めて国家主席に就任した10年前に胡錦濤が計画していた習近平と李克強(前国務院総理)のツートップ合議制にすることを条件にしていたのだそうです。
まあ、そうはならなかったわけで、かつて胡錦濤とともに国務院総理として頑張っていた温家宝もすっかりおじいちゃんになり、勢いはありません。
こうしてみると、時間の流れって早いですね。
ついこのあいだ、
『「習近平」とかいうヤツが中国の国家主席になるために、小沢一郎が陛下にお目通りすることを画策した!』
…と聞いて、私も反対デモに参加した記憶があるのですが、あれはもう11年も前なんですね。
私が街頭演説をしたのは、たしかあの時が初めてで最初で最後です。